「子どもたちの命を守る決断」——千葉の中学校が修学旅行先を万博からUSJに変更、その背景とは?

中学校の修学旅行行き先変更を報じる記事のアイキャッチ。爆発の危険がある万博会場のトイレと「DANGER」看板、そして不安げな教師のイラスト、生徒の安全を守る決断を訴える見出しが配置されている。

「メタンガス検知で教育現場が動いた理由」——万博は本当に安全か?

大阪・関西万博の安全性に揺らぎが生じている。
2025年4月6日、開幕を目前に控えた万博会場で、爆発の危険を伴う濃度のメタンガスが検知されたという報道が波紋を広げる中、ある学校が静かに“英断”を下した。


その学校は、千葉県船橋市立の中学校
5月に予定されていた関西方面への修学旅行で、大阪・関西万博を訪れる予定だったが、突如として行き先をユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に変更すると発表した。

理由は明確だった。
「生徒の安全が最優先」「安全配慮義務を全うできる自信がない」と語った教頭の言葉に、教育現場が抱える責任と葛藤がにじむ。


実際、万博会場では2024年3月にも、トイレ床下でメタンガスが原因と見られる爆発事故が発生しており、安全性への不安は一過性のものではない。
保護者の間でも「子どもが爆発を恐れていた」「万が一のことがあったら」といった声が複数上がり、学校側は4月11日の保護者会で正式に行き先変更を決定した。


一方で、文部科学省は全国の教育委員会に万博の修学旅行利用を推奨する通知を出しており、多くの学校が訪問を計画しているのが現状だ。
これに対し阿部俊子文部科学相は、「安全確保は不可欠」「経産省が万全を期すと聞いている」とコメントしたが、教育現場や保護者たちの不安を完全に拭いきることはできていない。


「万博は本当に安全なのか?」
いま、全国の学校・保護者・そして社会全体がこの問いに向き合い始めている。

子どもたちの命を守るために、何が“正解”か。
その答えは、現場の判断の中にすでに現れているのかもしれない。

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