夢洲駅で2時間待ち 退場にも1時間超の長蛇の列
2025年4月13日、大阪・関西万博(EXPO 2025)がついに開幕しました。しかし、開幕初日から“想定外”の混雑が発生。
最寄り駅・夢洲駅では入場に最大2時間、退場にも1時間以上の待ち時間が発生し、多くの来場者が不満の声を上げています。
特に、天候不良によるブルーインパルス展示飛行の中止や、雨の影響により来場者の移動タイミングが集中。これが夢洲駅での大混雑に直結しました。
ドイツから訪れた来場者は「前回の万博では20カ所回れたのに、今回は1カ所しか見れなかった」と語り、福井県からの来場者も「12時予約で入場できたのは14時。すぐに帰ることになった」と嘆いています。
「並ばない万博」とは? 運営が導入した革新的システム
大阪・関西万博は、「並ばない万博」をスローガンに掲げ、混雑緩和とスムーズな観覧体験を実現すべく、さまざまな先進技術と予約システムを導入していました。
・専用アプリ「EXPO2025 Personal Agent」
NTTが開発した専用アプリでは、AIによるパビリオンのおすすめ表示やルート案内、混雑状況の可視化などの機能を提供。スムーズな回遊を支援する予定でした。
しかし、通信障害によりアプリが使用できないケースが続出し、入場ゲート付近での混乱に拍車をかけました。
・電子チケット・事前予約制
電子チケットと6カ月前から可能な事前予約により、入場タイミングの分散を狙っていた運営。しかし、予約時間を過ぎても入場できない状況が相次ぎ、「予約の意味がない」との声が広がっています。
・キャッシュレス&顔認証技術の導入
会場では全面キャッシュレス決済と、顔認証によるスムーズなチェックインが導入されていますが、初日の混雑の前にはその効果は限定的だったようです。
なぜ初日に混乱が起きたのか?4つの要因と来場者の声
1. 輸送力不足と人工島という立地の弱点
夢洲は人工島であり、アクセス手段は大阪メトロ中央線とシャトルバスに限定されています。地下鉄の輸送力は限界に達し、駅への入場制限が発生しました。
また、駅前には大規模な待機スペースがなく、人の流れが滞り、一部で危険な混雑も発生したとされています。
2. ブルーインパルス中止・雨天の影響
天候不良による展示飛行の中止と、雨による影響で来場者が一斉に移動し、輸送インフラに大きな負荷がかかりました。
3. Wi-Fi・アプリの通信障害
「EXPO2025 Personal Agent」アプリは通信状況に大きく依存しますが、ゲート前でスマホが圏外になるケースも報告され、来場者の混乱を招きました。
4. 一部パビリオンの準備遅れ
来場者の多くが「一つしか回れなかった」と語っており、パビリオンの準備が不十分だった可能性も指摘されています。
「予約の意味がない」「子供が凍える」Xでの怒りの声
X(旧Twitter)上では、現地にいた人たちからリアルタイムで多くの不満が投稿されました。
- 「地獄絵図だった」
- 「子供が寒さで凍えていた」
- 「地下鉄のシミュレーションが甘すぎる」
- 「アプリが使えず、スタッフも混乱」
こうした声から、現場対応の不備や準備不足が明るみに出ています。
今後の改善は?運営に求められる対応とは
運営は「並ばない万博」を実現するため、輸送インフラの強化やアプリの通信改善、予約システムの運用見直しが求められています。
- 駅の入退場管理の強化
- シャトルバスの増便と導線整理
- 通信環境の改善とオフライン対応
- パビリオンの準備状況の見直し
今後のピーク時(GW・夏休み)に向けて、早急な対策が求められます。
まとめ|“革新”と“現実”のギャップが問われる万博2025
「並ばない万博」を謳った大阪・関西万博は、開幕初日から大きな試練に直面しました。
先進的な仕組みは導入されたものの、実際の運用とインフラ対応には大きなギャップがあったのです。
この先、半年に及ぶ万博期間中に、どこまで改善が進むかが問われています。
コメント