石丸伸二氏が名誉毀損で敗訴確定|SNS投稿めぐり最高裁が最終判断
2025年4月23日、前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏によるSNS投稿をめぐる名誉毀損訴訟で、最高裁判所は市側の上告を退け、同市に33万円の賠償を命じた一・二審判決が確定しました。本件は、石丸氏が市長在任中に行った投稿が名誉毀損にあたるかが争点となり、国家賠償法に基づく自治体の責任が問われたケースとして注目されています。
名誉毀損訴訟の発端となったSNS投稿の内容
発端は2020年11月、石丸氏が市議との協議後、自身のSNS(旧Twitter)にて「敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?あり」といった投稿を繰り返したことでした。これにより、名指しはされていないものの、当時の市議・山根温子氏が名誉を毀損されたとして提訴。石丸氏の発言は、市長アカウントを用いた“公務”としての投稿と判断されました。
一審・二審判決の判断内容とその理由
2023年12月の広島地裁判決では、問題の発言が協議の録音記録には存在せず、石丸氏の主張は虚偽と認定されました。また、投稿は市長としての職務中に行われたと判断され、市に33万円の賠償責任があるとされました。2024年7月の広島高裁もこれを支持し、「裁量を逸脱した違法な行為」として再び市に賠償命令を下しました。
最高裁の決定と今後の注目点
最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、裁判官5人全員一致で一・二審判決を支持。石丸氏個人の上告受理申し立ても退けられ、判決が確定しました。現時点で市は石丸氏に対し求償請求を行っていないものの、市民からは「税金で支払うのは納得できない」といった声も上がっています。
SNSと公務の線引きが問われた今回の裁判の意味
今回の判決は、公務員がSNSを通じて発言する際の責任と影響力、そして「公務」と「私的意見」の境界線について大きな教訓を与えるものです。今後、地方自治体においてもSNS運用に対するガイドラインやリスク管理がより重要になると見られます。
出典
毎日新聞|安芸高田市長の投稿で名誉毀損認定 広島地裁、市に33万円賠償命令
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